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一円。

■2007年1月22日
実家の部屋を掃除していたら、袋に入った大量の一円玉が出てきた。
なんだか妙にきたない。
額は五百円程度で、銀行に持っていくにも中途半端。
かといって放っておくのも無駄になる。
お金は大事にしたいと考える信条のもと、とりあえず今日から、支払いの端数は全てこの一円玉で、キッカリと払って行く事を決心してみる。
妙に汚れている一円玉たち


■1月23日

一日に複数回の支払いに耐える為にも、財布には、とりあえず20枚の一円玉を入れておくことにする。

財布が不恰好に膨れる。

決めたことに、早くも微妙な後悔が見え隠れする。



■1月26日

思いの他、一円が減らない。

予定では、一日に約5枚(円)の消費と考えて、
(全部で約500円)÷(5円)≒約100日
ということになる、はず。

でも、実際には、一円を使用しない日が結構ある。



■1月28日

私がレジに立った途端に、いきなり後ろに3人も並んだ。

「619円になります。」
(9円・・・。こんなときに・・・。)

財布の中に一円玉が9枚以上あることは明らか。

でも、何故かこういうときは、一円玉を取り出す十数秒が妙に長く感じてしまう。

レジの娘や並んでいる人たちが、不満気に私を見ている気がする。

そして、レジの娘が結構かわいい。

私の一円玉全てが妙に汚いことが、さらに、ためらいを助長させる。

(・・・・・・。)

(・・・・・・・・・。)

「381円のお返しになります。」

・・・心が弱い。



■1月31日

財布の中の1円玉がなくなっていた。

すっかり補充しておくのを忘れていた・・・。

そういうときに限って、1円を使用する機会に恵まれる。

結果として、財布の中に1円玉が増える。

非常に不本意なカタチで、財布の中に一円玉が補充されていく・・・。



■2月3日

引越しして間もないので、毎回買い物に行く店が、ほぼ変わらない。

一円は順当に消費していっているのだけれど、最初に言ったように、私の一円玉が汚れているのが気になる。

毎回ピッタリと一円玉を出しているだけに、レジの人にも顔を覚えられつつある。

(あ、一円玉の人だ。)
(あぁ、汚い一円玉の人だ。)
(また、汚い一円玉の人来たよ・・・。)

一円玉を数えるレジの人も、心なしか冷ややかな表情に見えてしまう被害妄想。

いや、実際その通りの可能性が非常に高い。



■2月10日

一円玉を使用することに、さほど抵抗を感じなくなってきた。

8円だろうが9円だろうが、しっかりと数えて支払うようになってきた。

ただ、いつも行くスーパーにおいての話。

顔見知りになってくると同時に、もうこの人にはどう思われてもいいや・・・、と考える傾向がある。

半ばあきらめに似た境地。

多分、他の店に買い物に行ったら、また躊躇うと思う。



■2月15日

近場に柿田川という川があって、自然公園に近い形式の場所がある。

結構好きな場所で、よく散歩に出かける。

その中に神社があって、よく見ると『滝財』と書かれた小さな賽銭入れがある。

なにも考えずにお約束の5円玉を入れたのち、ふと大量の一円玉のことを考える。

(いっそのこと、あの一円玉をこの中に全て突っ込んでしまおうか・・・)

まさに悪代官のように、口元が醜く歪む。

別に悪いことでは決してない。



■2月18日

残りの一円玉が何枚あるのかが気になって、数えてみた。

残り392枚。

何だかんだで、いい感じで減ってきている。

ただ、道のりは長い。

何とかして一気に消費する方法(あくまで自然に)がないものかと、いつも考えている。



■2月22日

遂に預金も含めて千円を切った。

『1円を使う』以前に、買い物もできない。

全ての1円を使い切る予想期間が、大幅に伸びつつある。



■2月23日

現金書留を送るために、雨の中郵便局へ向かう。

財布の金額はギリギリ。

書留用の封筒が20円、送る現金が4100円、送信代が500円。

窓口で思わず固まる。

まさか1割以上の送信代金がかかるとは思わなかった・・・。

かといって、また雨の中戻るのも面倒くさいし、そもそも戻ってもお金は無い。

(1円玉・・・・・・。)

「あ、あの、こ、細かくてもいいですか?」

予期せずして20枚もの1円玉を消費。

多分、しばらくはあの郵便局には行けない。



■2月28日

最近1円玉を消費していない。

そもそも買い物をほとんどしていない。

このままだと、この1円玉を使い切るのは1年後くらいになりそう。



■3月2日

近くのコンビニに、無愛想なレジのバイトがいる。

無愛想というより、愛想が下手なのだという。

『ありがとうございました』のトーンも低い。

決して汚れた1円玉を大量に出す客がウザイからでは無い、と思う。



■3月8日

お金は大切に使いたい。

でもこのコーナーに関していうと、更新することが無くなってきている。

さすが、イキオイで作ったページなだけはある。

このコーナーの存続が危うい。

何らかのカタチで一気に完結させてしまおうと考え始めている。



■4月3日

約一ヶ月近く更新がされなかったのは、別に怠けていたわけではない。

単に、何も無いので更新する必要性が無かったと言ってもいい。

そんな思いを断ち切るべく、ついでにこのコーナーも断ち切って終わらせようと考えている

余った一円玉を全て袋に入れて外出。




計2時間程、電車とバスを乗り継いで辿り着いたひと気のない神社。

天気は曇り。やや肌寒い・・・。


右側を確認する挙動不信者。


左側を確認する挙動不審者。


ざらざらざらざら、、、。

とりあえず神様への供養のひととき。

ハイ、終了。


か?



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