■■とりあえず富士登山■■
〜富士山未頂の素人たちへ〜
2009年8月25日

仕事が休みですることが無い。

毎週火曜日のみが休みという変則的な職場。

気がつけば8月の休みはこの日が最後。

山小屋がやっている8月のうちに、今年も富士山に登ろうと思う。




去年あれだけしんどい思いをしたにも関わらず、今年も登ろうとしているのはそれなりにワケがある。

去年山頂の神社で絵馬に書いた願い事が叶ってしまったので、お礼参りをする必要があると思っていたからだ。

願い事の内容は伏せつつ、今年もふらりと登ってみようと思う。




当日の天気予報は、晴れのち曇り夕方所により雨

微妙に不安を煽る予報。




登り口は去年と同じ須走り口。

別に富士山を完全網羅しようとは思わない。

今回の目的はあくまでお礼参りだ。


もう来年は登らなくてもいいように、今年は叶いそうもない願い事をしてこようと思う。




持ち物と服装は去年と同様。

唯一、帽子をムギワラに変えてみた。



さあ出発だ。




〜 早朝出発 〜





『8:00』

バスで五合目に到着。

めちゃめちゃ天気が悪い。

完全に周囲が雲に覆われている。

もう中止にして帰ろうか、という思いを胸に30分ほど休憩。

空気に慣れるのって重要。


普段着にムギワラという軽装に後悔。

普通に寒い。







『8:30』

眉間にシワを寄せながら歩き出す。




イヤすぎる、、、。

本当にシロウトが登っていい状況なのだろうかと思う。

しかもこのシロウトは普段着だ。

完全に快晴のときだけ許される服装。

そしてムギワラ。





歩いてて不安が尽きない。

『遭難』の2文字が頭をよぎる。

非常識なシロウト登山者が普段着で遭難!!

そんなニュースの見出しで朝刊を飾ってしまうかもしれない。

がんばれ自分。

帰るんだったら今のうちだ。





ちょっとだけ雲間から青空が見える。

希望の光。いや、帰るという決断を鈍らせる誘惑の光だ。


歩いていても若干寒い。

まあ、汗をかかないぶん快適ではある。

常に涼しい風がムギワラを吹き抜けていく。







『9:30』

新6合目、しゃくなげ山荘(長田山荘?)。

5合目から大体1時間ぐらいで到着。

外のベンチで一休み。

すこし霧(雲?)が晴れてきた、ような気がしたけどそうでもなかった。

ここが登り始めて一番最初の休憩所。こいのぼりが目印。

まだまだ序盤だということは身にしみてわかっている。



二度目の登頂では希望的観測が持てないから厄介だ。


曇り空も手伝って、モチベーションが下がる下がる。




あんまり休んでいると寒いので、とりあえずノコノコと歩き出す。











『10:00』

本6合目、瀬戸館着

前の休憩所から30分ぐらい。

案外早く着いてちょっと拍子抜け。


でも休む。

相変わらず視界は真っ白。

そして寒い。

やむなく歩き出す。







山歩きに慣れてくると、体力的に疲れていても息切れしない状態で歩くことが出来る。

いや、多分慣れてはいないのだと思う。



ちょっとだけ見えた青空を、雲が凄いイキオイで覆っていく。

次の休憩ポイント(山小屋)が見える。











『11:00』

太陽館着

1時間ぐらい歩いてちょっと疲れた状態でたどり着いた。

でもなんかトイレ臭がきつかったので早々に出発することにした。

時間的なものなのかもしれません。







この辺で雲の上に出たのか一気に青空。でもちょっとくすんでる。

この辺から坂の角度が極端に急になってきてる。

多分気のせいじゃない。













『11:30』

見晴館着

ここも前の休憩所から30分ぐらいで着いた。

もちろん座って休む。



ここの気温は約12℃

風があるので体感温度はもっと低い。



目の前で何か土台っぽいのを作ってた。

おかげで狭い休憩スペースがさらに狭い。


ちゃっちゃか先を急ごうと思う。

もちろんあくまでマイペースで。




あー青空が気持ちいい。

そしてそれ以上に坂道がキツイ。


あれほど待ち望んでいた太陽なのだけれど、もう青空とかどうでもいいです。


この辺は道が砂で登りにくい。

心が挫けそうになるポイントでもあると思います。





気がつけば快晴。

でも暑くはない。涼しい。

夏、終わってる?

8月の終わりはあんまりオススメではないのかもしれません。







犬連れの人もいた。

ハスキーかっこいい。そしてあったかそう。













『12:00』

8合目、江戸屋着

休憩ポイント狭すぎ。

ここで15分ぐらいの長めの休憩をとった。


もう明らかにペースダウンしているのが自分でもわかる。





なんか手がパンパンになってる。

気圧か!?

気圧の関係なのか!?















『12:30』

本8合目着

去年はここらへんで高山病にかかったのだけれど、今回は大丈夫っぽい。

つねに深呼吸を意識することが大切。

酸素スプレーとか邪道。


いえ、本当は欲しいです。

酸素スプレー羨ましいです。





あと、『○合目』の次に『○合目』みたいな流れはやめて欲しいと思います。

がんばって登ってきたのに○合目の数字が変わらないのは切ないです。















『13:00』

御来光館着

前の休憩所から30分ぐらいで着くのだけれど、正直10分歩くのもしんどい。

そして休憩所が狭い。

ベンチが人で埋まってたので、奥の方の岩に腰掛けて休んだ。






8月、晴れてるのに涼しい。

山肌に白く雪が残ってる。



そして何故か手がパンパンに膨れてて、まともに握ることも出来ない。

ちょっと面白い。でも大丈夫なのか?





9合目の鳥居がみえる。

もう少しでもあり、まだ先があるともいえる。

浅い経験者の抱く、記憶の不一致。


道のりを知ってしまっていることの切なさ。

『希望』とかで自分を騙せないことに対する苛立ち。















『13:30』

9合目鳥居着

ここは休むスペースが無いので、そのまま通過。


と思ったけど、足がついていかなくてスグに休みました。











全然まだ先が長い。

しかも急。





急坂のラストスパート。

決して私のペースが速くなるわけではありません。

とにかく急。







でももう少しで頂上。

「鳥居、鳥居、鳥居、鳥居、、、」って心の中で繰り返してた。


















『14:00』

頂上着。

ついたーーーーー。













前回同様、神社でお守りと絵馬を購入。

絵馬には神様もひくぐらいの願い事を書いておきました。

この願いが叶ったら富士山信者になると思います。


お守り1つ1000円也。絵馬は500円。










頂上から下を見ると気持ちがいい。

後続の登山者たちを見下す優越感。

君たち、まだまだ先は長いぞ。






あったかいものが食べたくてトン汁を注文。800円。

この写真はまだ食べる前です。

ささやかな具材が泣かせる。

文句を言ってはいけません。




確かラーメンは900円、カレーが1000円、月見うどんが1200円、、、。

暖かいものが食べられるありがたさをジンジン感じます。




欲のままに行動すると、富士登山は意外とお金の消費ポイントがあります。
















『14:30』

去年断念した『お鉢巡り』に行くことにした。

ついでに日本最高峰の剣ヶ峰も見ておきたい。

火口は思ったより断崖。












火口まわりは結構危険な道でもある。

不注意で簡単に死ねそう。






ちなみにお鉢巡りって、地面が平らだと思ってたら大間違いです。

お鉢巡りなめんな!!って言われます。


超しんどい坂とかあります。

疲れが溜まった足には結構キツイです。

油断してると突然くじけそうになるので要注意です。






そしてようやく剣ヶ峰入り口。

あーー、疲れた。

















『15:30』

日本で一番高い所にある石碑に到着。

休憩含めてたどり着くのに1時間ぐらいかかった。






たまたま居合わせた人に写真撮ってもらった。

石碑とムギワラ。





時間が無いのでさっさと戻ることに。


疲れが溜まってるのか歩みは遅い。

それなりに坂があるのが若干腹が立つ。

休み休み歩く。





撮った火口の写真をパノラマ加工。

火口と加工で駄洒落を考えていたりすると、ここから飛び降りて全てを無にしたくなります。

要注意です。



何度も言いますが、晴れてるけど寒いです。















『16:00』

ようやくもとの頂上に戻ってきた。

時間が無いのですぐに下山。

この時間でも間に合うことは去年実証済みだ。




見下ろすと濃厚な雲。



分かっていて雲の中へ突っ込んでいくのが、とてもイヤな感じです。

寒い寒い。



雲の中はまるでホワイトアウトのよう。

先の見えない砂走りの道を一気に駆け下りる。

他の下山者たちを横目に命知らずのゴボウ抜き走り。














『18:00』

そして無事に5合目着。

18:10発の最終バスに難なく間に合いました。











今回の場違い功労者。ムギワラ。

かさばるし、雨に弱く、防寒能力無し。

あきらかに天候の変わりやすい山向きじゃありません。




まぁ、ムギワラ好きだからいいですけど。








ええ、こんな人間でも富士山に登れます。


さぁ、がんばれシロウト!

目指せ運試し!





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