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〜 10月1日夕方 〜 |
■『ハンバーグが食べたい。』と思った。 食べたいときに食べたいものを食べるのが大人の証明の一つだと思う。 そんなわけで早速スーパーで材料を買ってきた。 ハンバーグをまともに作ったことは一度もないのだけれど、多分焼肉の応用みたいなものだろうと思う。 滅多に料理をしない人間が欲のままにハンバーグに挑戦。 ■とりあえず考えられる材料を買ってきた。 片栗粉や玉子をつなぎに使っていたような気はすれど、今日1食のためだけに買うのが無駄に思えて、そこは省くことにした。 もちろん分量は全て『なんとなく』だ。 料理は雰囲気で作るものなのだから、それでいいのだと思う。 ちゃんと豆腐を買っているあたり、健康を気づかう大人の余裕も見え隠れする。 ■豆腐の水を抜く。 一応それくらいは知識として知っているぞということを、ここぞとばかりにアピールしておきたい。 もちろんこれが正しいやり方なのかどうかは、甚だ疑問ではある。 ■玉ねぎを切る。 包丁もまな板も無いので、キッチンバサミで切ります。 ボールも無いので炊飯ジャーの内釜を利用。 慣れない玉ねぎで目をしばしばさせつつカッティング終了。 ■続いて主役のひき肉を投入。 塩と胡椒で下味をつける。 歯ごたえがいいんじゃないかと思って買ったエノキも投入。 青ネギの代わりに買った青トウガラシも投入。 ひたすら混ぜ合わせる。 ■手がにちゃにちゃだ。 手が油でギトギトになる上に、細かいひき肉が手にくっついてしまって思いのほか作業がやりにくい。 調理序盤で早くもブルーな気分になりかけたりもする ハンバーグ作るのって面倒なのだなと思う。 それにしても結構な量だ。 3〜4人前はあるんじゃないかと思う。 玉ねぎとかを混ぜることで、予想以上に量が増えてしまっていることに気づかされる。 やるな!ハンバーグ! ■量の多さに気をとられて忘れるところだった。水気を抜いた豆腐を投入。 また一気に量が増えた。 とにかく混ぜて誤魔化してしまうことにしたい。 ハンバーグは中々に手ごわい。 ■とりあえずハンバーグのタネが完成。 4人前、いや5人前は下らない。 ここにきて新たな願望が生まれてきた。 『大きいハンバーグが食べたい』と。 ■夢のハンバーグへ向けて、、、。 フライパン一面に広がるハンバーグ。 子供の頃から憧れてやまなかった特大のハンバーグだ。 ハンバーグ好きにはたまらない、夢のハンバーグといえる。 これはまさに”夢バーグ”だ! 考えただけでワクワクが止まらない。 さぁ、子供の頃に成し得なかった夢に向けての調理が始まる。 ■ジュウジュウ音がし始めてきた、、、。 ジリジリと肉を焦がす音とともに、夢のバーグへの情熱も一気にヒートアップだ。 中々火が通りそうにないので、ここでバーグを見つめながら一息つくことにしたい。 ■こみ上げる幸せと溢れ出る肉汁。 端っこのほうでブクブク泡が立っているのを見ているだけで幸せだ。 手持ち無沙汰にコショウをふってみる動きも自然と軽やかになる。 たっぷり15分ほど焼いた後、この”夢バーグ”をひっくり返す。 この調理の山場とも最難関とも言えるポイントだ。 そしてこのひっくり返す作業は思いの他上手くいったのだけれど、あまりにも夢中で写真を撮るのを忘れるという始末。 ■見事すぎる焼き色。 もう見た目から確実に美味いことが決定だ。 まさに夢のバーグ! 夢バーグ万歳! 調理台の前で一人テンションが上がる。 ■水分、なのか? 裏返しにした途端、やたらと水分が出てきた。 望むところだ!徹底的に水分を飛ばしてやろうじゃないか。 ここは臨機応変に煮込みハンバーグのような感覚で調理することにしたい。 ■溢れる肉汁、というか多分豆腐の水分。 豆腐の水切りが足りなかったのだろうと思う。 細かいことは気にせずとにかく煮詰めていく。 煮詰めるほどに夢へと近づいている実感も深まってくるというものだ。 この工程が”夢バーグ”の仕様ということにしてしまえばいいのだと思う。 ”夢バーグ”を今のうちに商標登録してしまおうかとさえ思う。 もうハンブルグ地方出身なんて言わせない。 ■火が通っているかの最終確認。 箸で刺して穴を開けてみる。 これで赤い肉汁が出てこなければ問題無しだ。 学生の頃ファミレスの厨房でバイトをしていたときの、うろ覚えの知識が光る。 ■そしてついに、、、。 ■色どりに細かく切ったトウガラシをパラパラとのせて、、、。 夢のバーグが完成! 大人になってよかったと心から思える。 ■よくわからない達成感もある。 夢への一口。 ヨリでもう1枚。見事にピンボケ。 感動で手が震えたのだと言い訳しておきたい。 子供の頃に憧れを抱いたまま忘れかけていた夢の一つを叶えることができた日。 後付けではあれど、夢は叶うということだ。 食べても食べても尽きることのなかった夢バーグ。 最後の3口辺りでやや現実に引き戻された夢バーグ。 食べ終わって、もう夢ではなくなってしまったのだなと思わされた夢バーグ。 結論を言うと、味はお世辞抜きで普通に美味しかった。 予想どおりの味だったともいえる。 そしてもう一度作りたいかと言われると、それはないだろうとも思う。 もう夢は叶ったのだからそっとしておいて欲しいとさえ思う。 ■夢のあと。 約15分で夢完食。ご馳走さまでした。 ありがとう”夢バーグ”。そしてさようなら”夢バーグ”。 おしまい。 |
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